よーすろう、それは自由奔放な語り手

現役文系大学生が語りに語る場

パトカーで署まで連行された時の話

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※これは釣りなどではありません、完全な実話です。


恐らくだが、警察車両に乗せられるなど職業体験みたいなことでもしない限りないのではないだろうか。
何を偉そうに語っているのか自分でも困惑してきたが、貴重な体験(?)をしたことがあるのでショートストーリーのようにして経緯を説明していきたいと思う。


事の発端は小学六年生の時、下校中でのことだ。友人2人の計3人で帰っていた私たちは、適当な話をしながら盛り上がりつつ歩みを進めていた。この友人2人を以後AとBとする。

帰ったら何をしようかと会話の最中で考えていると、公衆電話の前で何やら楽しそうに笑う奴らがいた。付き合いのあるCとDだった。


A「おい、C、D、何やってんだよ」


C「おぉ、お前ら。いやさ、これくそ面白いんよ。警察にいたずら電話するのw」



今思えばなぜここで私は上手いことこのことに関わることを回避しなかったのかと懐かしさに浸りつつも後悔している。


このあとは酷い有様だ。CとDに乗せられて実際にやらなかったとはいえバカ笑いを繰り返す私たち。



警察官「はい」


D「wwwwwwwうんこwwwちんこwwwww食べたぁぁぁぁぁいwwwwwwwwww」



ガチャ



一同「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」





この時アホだった私は、本気でこの遊びを見るのを楽しんでいたし、CとDは天才なのではないかと錯覚していた。
あまりやりすぎても面白味がないということで、その日はそのまま帰った。


それからその遊びを2回ほど楽しんでいた私たち。5人が揃うということは1回目以来無かったが、CとDのどちらかは確実におり、私は毎回そこにいた。


そして現実は当たり前だが突然にやってくる。
その日は私、A、Dの3人がいた。首謀者兼プレイヤーのCはいなかった。



D「うんこおおおおおおおおおおおおおちんこおおおおおおおおおおおお」




ガチャ




この男、うんこ、ちんこだけしか言えないのか。




そんな時だ。切り終わった公衆電話が唐突にベルを鳴らし始める。私たちはぎょっとした。
公衆電話が鳴るなんてことがあるのかと驚き、ただならぬことが起こりそうだと今更ながらに予感したのである。
驚きはそれだけに留まらない。立ち尽くす私たちが鳴り続ける公衆電話に慌てふためいていると、ものすごい速さでパトカーが2台やってきたのだ。


この瞬間のことは今でも覚えている。人生で初めて頭が真っ白になるということを経験した。




警察官「ちょっと君たち、パトカー乗ろっか」




今更NOだなんて言えるはずがないし、逃げ出せるはずもない。私たちはパトカーに乗った。
向かう先は当然警察署。小学生ながら人生が終わったと感じた。助手席に座っていたDの表情は分からなかったが、Aは死んだような表情をしていた。


署に到着すると、大きな講義部屋のような場所に連れて行かれた。席に着く私たち。柔らかい表情ながら目が笑っていない警察官たち。




警察官「まず聞くけど、どうしてこんなことをしたのかい?」



D「軽い気持ちで……遊び半分でやりました……」



ため息を吐く警察官の一人に、俯くしかない。私はこの時自分はやっていないのだと主張したくて仕方がなかった。それは恐らくAも同じだったと思う。



警察官「なら、いつもいたずら電話をかけてきた子は誰?」



私とAは一方的にDを見た。危機的状況になると人間こうなるのだ。




警察官「君か?」




D「はい、そうです」




警察官「そうか。でもね、こういう時は君たち2人も共犯で同罪だよ。いくらいたずら電話をしていないとしても、その場で楽しんでいたんなら変わりないからね」




やりきれない気持ちの方がその時は強かった。けれど振り返ってみると警察官の方の言う通りだと考えている。一緒に楽しんでいたのは事実だったのだから。


それからはひたすら説教をされた。怒られるのを特に嫌う年頃だったが、この時ばっかりは聞くしかなく、親にこれから来てもらうということで話は終わった。


親にも火が出るほど説教され、ビンタもされた。後日、初めていたずら電話を敢行した時のメンバーで集まり、そのことを私たち3人は2人に話した。
実際にその場に居なかったとはいえ、事の重大さに気づいた首謀者の1人だったCも、これからはやらないでおこうと強く心に決めたようだった。







P.S)間違っても警察にいたずら電話などしないでください。以上。