群像新人賞に処女作を送った結果
これは最近帰省した時に撮った写真の内の1枚だ。透き通るような向こうの海は、私が小説で描きたかった一部でもあった。
人生で初めて小説と言えるかわからないものを一編書ききった。完成までに要した時間は約半年で、枚数は100枚あるかないか。人生経験の浅い者に深みある作品は書けないということを作業中痛感しつつも、この年齢だからこそ書けるものを苦しみながらも模索した。
実際送ったのは8月の最終週くらいで、締切は10月の最終日だった思う。ここは曖昧だが申し訳ない。とりあえず書ききったという経験だけでも得たかった。そして賞へ送ってみたかった。実際に本当の願望は作家になることだが、ここでそのことを一々話すのも野暮なので割愛。
プロットを一から最後まで練って書き始める方は本当に尊敬する。それが出来ればスラスラといくものなのかもしれないが、地図のない道を行き当たりばったりで歩くようなもので、想像以上に大変だったし時間がかかった。
キャラクターと物語の情景を掘り下げていく書き方も、自分で全て作り上げるとなると、表現がその場面場面でマッチしているかどうかまで注意が行き届かなかったと反省するばかりだ。
一心不乱に走りきった。走りきるだけで精一杯だった。今は既に次作の構想は固まり、書き始めている。海に囲まれて生まれ育った私だからこそ、この美しさとあっけなさを表現できれば、それ以上の幸せはないだろう。
P.S)
ちなみに最終候補に残った方にはつい先週あたりくらいで編集部から連絡がいっているらしい。残念ながら私のスマートフォンが鳴ることは無かった。